連載・ウェブ戦略に今足りないこと

第1回 ウェブは「戦術」の塊になってしまっている

news

2015.05.08
ホームページをリニューアルしました。
2014.08.07
東京・市ヶ谷、インプレスセミナールームにて小川卓さんをお迎えして当社団創立記念セミナー&懇親パーティーを開催いたしました。
2014.08.03
ホームページを少し拡張しました。
2014.05.16
一般社団法人日本ウェブ戦略担当者協議会を設立しました。

ウェブは「戦術」の塊になってしまっている

94年、ウェブがスタートした黎明期には教科書も薄いものでしたが、その後、どんどん学ぶべきことが増えています。

SEO、リスティング広告、ランディングページ、スマートフォン対応(レスポンシブウェブデザインも含む)、アクセス解析、サイトパフォーマンス、ブログからSNSなどの関連媒体まで含めると非常に多くの「新技術」が登場し定着してきました。本体のホームページを作成するについても、簡易にHTMLで作っていたものが、そこで複雑な機能やレイアウトを実現する手法が登場し、さらにCSSやスクリプトを使ってレイアウトを実現したり、CMSでページを量産・管理するなど、ウェブ担当者が「覚えるべきこと」は無数にあります。

しかし、それはどれもが目的ではありません。あくまでウェブ運営・管理を助けるツール、戦術です。

にもかかわらず、どれも華々しい話題とともに現れて、自分は戦略であるという顔をしていて、ウェブ担当者としては無視できないことになっている。今やウェブは様々な戦術の塊といった形になっています。

ウェブ担当者はますます忙しくなっていきますが、残念ながら十分な成果が上がっているとは言えません。いや、局面としてはさまざまな効果もあるわけですが、全体として果たしてどうでしょうか。

メーカーが製品を消費者に見せ、製品の認知を高めることが目的であるとすれば、最も重要なのは、「誰にどれだけ知らせるか」ということです。ウェブがマーケティングであるとすれば、マーケティングとは市場とのやり取り・働きかけですから、市場、すなわちターゲットが真っ先に重要であることは明らかです。

多くの現場ではターゲットの定義は後回しで、製品についてページを作る、ということが目的化しています。実際、BtoBの会社なのに主婦ばかりが訪れているサイトもあります。新規会員を獲得したいのに既存会員しか訪れないサイトも少なくありません。

戦術にばかり目がいっているために、肝心のことを後回しにして、成果に結びつきようのない戦術に多くの投資をしているように見えます。

戦略の定義とは、目的のためにあらゆる経営資源を動かすことです。目的に合致しない戦術は、それ自体がどんなに「効果的」に見えても採用する必要はありません。「とりあえずやってみなければ分からない」という理由でツイッターで発信を続けていて、それなりに手間がかかっているが、肝心の「望ましいフォロワー」がぜんぜん増えない会社もあります。

いったん不要な投資(ウェブ担当者の負担も含めて)を取り除いて、目的を達成するための布陣を洗い直した方が良い場合も少なくないのです。

「そうは言っても今やっているリスティング広告を急にやめるわけにはいかない」という声が聞こえます。もちろんそういう場合もあるでしょうから、現実には効果の少ない広告を止めるといった調整の範囲でとどめることもになるかもしれません。

それでも、ウェブは戦術の塊から、目的の達成に寄与する戦略へとシフトしていかなければならないのです。

経営資源はウェブ関連、IT的な投資の対象とは限りません。

新幹線で柿の葉ずしを売っていて、好きで良く食べるのですが、箱の中にホームページのアドレスも何も入っていない商品もあって残念に思います。お土産でもらった人がもう一度食べたいと思った時にどうすれば良いのでしょう。ウェブが戦略であるためには、顧客を思い浮かべ目的が達成できるように経営資源を調整する。だとすれば、柿の葉ずしの商品には再購入の方法が用意されていなければなりません。

家電製品では購入者登録をする人が少なくて悩んでいる会社もあります。製品にQRコードがついていれば登録もしやすく、故障のときなども役に立つでしょうが、そうしたものもまだあまり普及しているようではありません。

社員の名刺、展示会、店舗などなど、いわゆるIT媒体ではない資源もうまく活用してこそ、目的を達することができるはずです。

次回からはより具体的に、戦術の塊から脱却するためのレシピを作っていくことにしましょう。

お問い合わせ・資料請求
  • 入会についてのご案内
  • 入会のお申込みはこちら
  • メールマガジン 戦略視点で見るとウェブ担当者の仕事はこんなに変わる
入会すると何が良くなるのか?